生成AIを活用したデジタルマーケティング-第1章 ~ディスクリプション、alt属性、画像
※こちらの記事は2024年1月25日に作成されたものです。ChatGPTの最新情報は、公式Webサイトでご確認ください。
目次
はじめに
生成AIの盛り上がりとビジネスに生かすという視点
ChatGPTでメタディスクリプションを作成する
ChatGPTでalt属性を作成する
生成AI(Midjourney)でコンテンツに使える画像を作る
まとめ
はじめに
生成AIによってデジタルマーケターはどれだけ作業を効率化できるのでしょうか?
弊社では、海外向けデジタルマーケティングの支援を行う部署があり、すでに生成AIを大いに使用しています。
生成AIを使ったタイトル・ディスクリプションの作成やalt属性の作成など、日々の業務に生成AIを使用することで、いろいろな気づきがありますので、事例などを共有させていただけたらと思います。
こちらのブログは、アメリカで参加者1,000名以上(トランスパーフェクト最高値)の人気ウェビナーを記事として再編集したのち、無料版のChatGPTを使用した感想や使用のコツなどを追加しています。
ご興味のある方はオリジナル版のビデオもご一緒にご覧いただけますと幸いです。(日本語字幕付き)
生成AIの盛り上がりとビジネスに生かすという視点
生成AIが盛り上がりを見せているのは言うまでもないですが、その盛り上がりを裏付けるのがガートナーのハイプ・サイクルです。図の通り、生成AIは期待値のピークにいます。
出典:Gartner
トレンドであることは間違いないですが、弊社では生成AIをすべての顧客におすすめはしておりません。当たり前のことですが、テクノロジーはソリューションのために存在しています。顧客の目標・KPIに達するために必要であれば生成AIをお勧めしています。
そのことを念頭に置いた上、生成AIを使用を検討していてもいなくても、テクノロジーがどこまでの域にきているか、という視点は大切かと思いますので、こちらの記事が導入を判断する一部の材料となりましたら幸いです。
ChatGPTでメタディスクリプションを作成する
用語説明:メタディスクリプション
ブログなどページの概要・説明文のこと。検索エンジンで検索した際に表示され、SEOに大きく影響を与えるとされている。検索結果を見る
ChatGPTを一度でも使用したことがある方は、自分のイメージした結果になるまでに何度も指示(プロンプト)を書いて、3回目程度でやっと自分の理想に近い結果を得ることができたという経験を経ているのではないでしょうか?
筆者は良くレシピを調べることが多く、例えば、
①「じゃがいものパスタのレシピを教えて」→ChatGPTの回答の文章が長くて読む気が失せる
②「簡単に書いて」→ChatGPTの回答は簡単になったが、自宅にない調味料や具材があった
③「エシャロットはないから玉ねぎで代用してもよい?」→ChatGPTが回答してくれ、満足のいくレシピになった
もちろん、①の時点で簡単に書くようにあらかじめ言うこともできますが、最初のプロンプトの時には忘れがちです。
本題に入りますが、ディスクリプションを作成する際にも同じようプロンプトのプロセスを取ります。
弊社の場合はエクセルシートとChatGPTを連携させたツールを作成しているので、1つ1つディスクリプションを作成するのではなく、500ページなど顧客のWebサイトのページ数に応じて作成することができます。下記は弊社がとったステップです。
<プロンプト>
|
例を教えてしまうと、ChatGPTの創造性が低下するという考え方もあります。しかし、Temperature(温度)で調整することができますので、弊社は例を教えることで精度を上げています。
おすすめ記事:GPTのtemperatureとは何なのか
ChatGPTでのディスクリプションの作成
顧客のために節約できたコスト・時間:約80%
<筆者(デジマ担当)のひと言>
先ほども申し上げた通り、弊社のシステムはエクセルシートとChatGPTを連携させていて、何百というページのディスクリプションを一括で作成できます。
マーケターが1つのページに対してディスクリプションを書くとすると、ここまでの削減は難しいと思いますが、要約などにできるだけ脳みその使用を避けるという観点は正しいかなと思います。
また、ここで、私のように無料でChatGPTを使用しているデジタルマーケターに共有させていただきます。
「SEOフレンドリーな」ものをChatGPTが作れるのか、という問いが生まれたので、ずばりChatGPTに聞いてみたのですが、ChatGPT3.5は下記のような回答となりました。
大変簡単に要約しますと、ChatGPTのソースデータは2022年に作成したものなので、月間検索数のデータにはアクセスができない。SEOも大切だが、ユーザーにとっての読みやすさが大事だよ。
と、なぜか教育してきたChatGPT。(笑)
ただ、AI関連のメタディスクリプションの作成の際にきちんと検索されているワードを選んでいたので、ある程度信用はできると思っています。2022年に作成されたデータなので、トレンドキーワードを入れることはできないです。
ChatGPTでalt属性を作成する
用語説明:alt属性
画像の注釈(説明)のこと。画像表示の代替となるテキスト情報
alt属性はアクセシビリティにとって非常に重要です。スクリーンリーダー(画面読み上げソフトウェア)を使用する人も増えています。アメリカではウェブサイトがADA(障害者の権利を擁護する人権法)に 準拠しているかどうか確認が厳しいので、繊細に対応していかなければなりません。
先ほどのディスクリプションと同じように、弊社では顧客がWebサイトに使う大量の画像へのalt属性が必要となるので、画像からテキストをつくるモデルを設計し、画像の説明を取得します。
下記は画像からChatGPTが作成した画像の説明文です。米国ではよく知られている家庭用電化製品を販売している会社の画像です。
文字数はこちらで指示をだしていますが、注目すべき点はChatGPTがブランド名を画像から認識した点です。
左の画像の中で、ブランド名は大変小さくなっており、人間の目では認識ができませんが、AIはブランド名を画像から認識したのです。
また右の画像をご覧ください。こちらの画像では手が少し見えますが、AIはこちらの画像の説明に「女性」と記載をしました。反対に左の画像では「男性」と記載してあります。
顧客によっては性別を限定しないように 希望するかもしれないので、それはご要望次第になります。
ChatGPTでのalt属性の作成
節約できたコスト・時間:約90%
<筆者(デジマ担当)のひと言>
ディスクリプションと違いalt属性は文章が短く簡単なのと、クリエイティビティよりも状況説明がメインとなるので、かなりの時間を節約できたのかなと思います。
筆者としては、性別を限定しないジェンダーニュートラルの考え方がウェビナー中のトピックとしてあがった面白いなと感じました。身体的特徴から男性女性を限定するAIを単純にすごいと感じましたが、それがアメリカ社会において障壁になることもあるという発想がなかったので。
筆者の使っているGPT3.5(2024年1月22日現在)では、画像をアップロードする機能がないので、画像説明を作るということは無料では現在できません。GPT4.0は画像アップロード機能があるので、作成が可能かと存じます。
生成AI(Midjourney)でコンテンツに使える画像を作る
こちらの例をご覧ください。
このような人々は存在しません。実際の写真撮影も行なっていません。弊社のクリエイティブ チームがMidjourneyで人工知能(AI)が生成したものです。ここでの指示は祖父と孫が外で楽しそうに食事をしていることでした。また場所は遊園地や自然の中という設定です。
もともと顧客からこの仕事を依頼いただいた理由は、お客様がそのような画像を保持していなかったためです。広告キャンペーンをするにあたり、数週間以内に法的審査に向けて準備する必要がありましたが、写真撮影のスケジュールが1ヶ月以上先にしかとることができず、困っていたところでご相談をいただきました。
顧客からの反応は“すごい、指示通り”とフィードバックをいただきましたが、顧客は最初、これらが人工知能(AI)によって作られたと知らなかったので私たちが伝えると大変驚いていました。
もちろん弊社では画像の所有権を持つために、画像を抽出した後に、照明効果を追加し、彩度を調整しています。ストック写真と同じような処理を加えます。
生成AIで制作した画像の使用を検討している会社様に注意していただきたい点があります。生成AIの画像の使用は国によって必要条件や法律が違います。また刻一刻と変化するので、ご自身で作業を行う場合はきちんとお確かめくださいませ。
生成AIでの画像制作
節約できたコスト・時間:約50%
<筆者(デジマ担当)のひと言>
画像制作の場合、1枚1枚にプロンプトを打ち込む必要があるのと、編集加工を行う必要があるためテキストの作成よりは短くできる時間が少ないのかなと思います。
ですが、広告をすることを考えてください。金額を設定しコンテンツを制作しテストします。いざ広告出稿をしてみたら、成果が期待通りにはでなかった、ということは当たり前に起こります。
写真撮影や制作費に予算を費やすのではなく、生成AIを利用して作った画像でテストをするのはいかがでしょうか?オーディエンスの分析、念密な広告コピープランをしていても機能しないこともあるのがデジタルマーケティングです。生成AIを使うことで、市場に早く宣伝し、ABテストを行い、PDCAをまわすことができます。
まとめ
このブログでは生成AIを使った、ディスクリプション、alt属性、コンテンツに使える画像、広告画像までお話しました。次のブログでは生成AIで作る広告のコピー 、コンテンツの競合分析についてお話させていただきます。
今日のアジェンダに共通して言えることは人間の目によるチェック、編集は必ず必要だという点です。次のブログでお話する、キーワードの作成などは特に、自然な言語であることが重要になります。
ハルシネーション(生成AIの幻覚、もっともらしいウソをつくこと)を見たことがある人も多いのではないでしょうか?
プロンプト(生成AIに送る指示)を作ること、プロンプトの最適化が面倒に感じることもあるかもしれません。しかし、繰り返すことで、私たちのプロンプトの作り方もうまくなっていきます。
生成AIをツールとしてどんどん使いこなすことで、価値の高いデジタルマーケター、感度の高いデジタルマーケターを一緒に目指していけたらと存じます!
こちらの記事はアメリカで参加者1,000名以上(トランスパーフェクト最高値)の人気ウェビナーを記事として再編集しています。ぜひオリジナル版のビデオをご覧いただき、生の現場の声をお聞きくださいませ。(日本語字幕付き)