eラーニング コンテンツのカスタマイズ
コロナ禍ではビジネスにおける多くのシーンでオンライン化が進みましたが、社員の教育研修についても同様です。対面での開催が難しい中、各企業は工夫を凝らしながらオンライン研修を実施し、アフターコロナでも継続的な活用を見据えています。
1.eラーニングの急速な普及
オンラインでの教育研修のパターンは、概ね以下のいずれかにあてはまります。
- オンライン・ミーティングやオンライン会議を用いたライブでの教育・研修
- パワーポイント等の資料や録画した動画を社内で配布
- システムを導入して、eラーニング・コンテンツを配信
この約2年の間に、3つ目のシステム導入によるeラーニングが急速に普及しました。多くの企業で在宅勤務も定着しつつある今、eラーニングをうまく活用していくことが、社員の教育研修のプランを立てる上での重要なポイントとなっています。
eラーニングのコンテンツについては以下の3種類があります。
- ラーニング・マネジメント・システム(LMS)とセットになっているコンテンツを購入して配信
- コンテンツ・ベンターのコンテンツを購入して、LMSに搭載して配信
- 企業独自のコンテンツを制作(カスタマイズ)し、LMSに搭載して配信
企業経営における、サステナビリティ、ダイバーシティ、リスク・マネジメントの重要性の高まりを受け、独自のコンテンツを制作する企業が増えています。これらのテーマは日本国内だけのテーマではなくグローバル共通のテーマのため、制作したコンテンツを多言語化してグローバル・スタッフの継続的な教育研修に活用するという動きも進んでいます。
今回は、多言語eラーニングのコンテンツカスタマイズついて簡単にご紹介させていただきます。
2.eラーニングのコンテンツカスタマイズのプロセス
コンテンツ制作の最初のステップはストーリーボードの制作です。この段階で、受講者に何を得てもらいたいかといった学習のゴールに加え、コース全体を通じて使用するカラーやロゴ等のブランドデザイン、どのような双方向の仕組みを導入するかといったエンジニアリングでの要件、音声を入れるかどうか、外部コンテンツ(PDFファイル等)をコース内に組み込むかどうかといった仕様を決めて作り上げていきます。
ストーリーボード制作の段階で「どのようなコースにしたいか」をしっかりと固めておくことが重要です。コンテンツ制作過程で、あれもこれも必要といった形でコンテンツが増えていく傾向がありますが、受講者にとってそれが望ましい結果になるとは限りません。学習のゴールに向かって適切なコンテンツを取捨選択していくことも、ストーリーボード制作において大切なポイントとなります。
ストーリーボードが完成すると、次はデジタル化のプロセスです。デジタル化によって、ストーリーボードの内容が動的なコンテンツになり、LMSに搭載することができます。音声付のコンテンツであればナレーションを加えて、音声に合わせて字幕を表示することも可能です。クイズ付のコンテンツであれば回答した内容に応じて正誤や解説の表示ができ、アンケート付のコンテンツであればアンケート回答をLMSから回収することができます。
これで自社独自のコンテンツが完成です。 LMSベンダーやコンテンツ・ベンダーのコンテンツを期限付きで利用するのと違い、完成したコンテンツは自社の知的財産権なので制約なく使用することができ、更新も自由です。
3.多言語化のプロセスにおけるトランスパーフェクトのGlobalLink活用
グローバル企業の多くは、グローバルでの関連会社社員もeラーニングの受講対象です。コンテンツの制作の後に多言語化のプロセスとなりますが、eラーニングコンテンツは、ワードやエクセルのようにテキストを上書きして翻訳することはできません。翻訳のためには、エンジニアリング作業で翻訳対象コンテンツを抽出することが必要です。
eラーニング・コンテンツもデジタルコンテンツのため、トランスパーフェクトのGlobalLinkを活用することでIT担当者によるエンジニアリング作業を行うことなく、翻訳対象コンテンツを抽出して翻訳することができます。また、翻訳メモリも蓄積されていくために、次回以降のコンテンツを制作の際に、有効利用が可能です。
多言語でeラーニングを実施している企業にとって、過去制作したコンテンツを翻訳メモリ含めて活用できるカスタマイズ・コンテンツは、社員の教育研修において継続的に力を発揮する差別化された自社特有のツールと言えます。
また、新たな活用方法として、コロナ禍でeラーニングシステムを使ったエンゲージメント調査のニーズも高まっています。従業員エンゲージメント調査の課題と対策についてもご紹介しておりますので、参照ください。
最後に
最後までお読みいただきありがとうございました!
eラーニングのカスタマイズ・コンテンツの制作と多言語化について、関心をお持ちになった方はぜひトランスパーフェクトにお問合せください。